鉄道友の会ブルーリボン・ローレル賞「川西車両」同時受賞



鉄道趣味団体「鉄道友の会」は5月22日、2025年の第68回ブルーリボン賞(最優秀車両)と第65回ローレル賞(優秀車両)を選定したと発表した。合計3形式が受賞し、このうち2形式は工業デザイナーの川西康之氏(イチバンセン)がデザインした。

ブルーリボン賞を受賞したJR西日本273系。【画像:鉄道友の会】

ブルーリボン賞はJR西日本の「273系」が受賞。ローレル賞は近鉄の「8A系」と福岡市営地下鉄の「4000系」が受賞した。

273系は岡山~出雲市を結ぶ特急「やくも」の新型電車で昨年2024年4月にデビュー。川西氏が内外装をデザインした。JR西日本と鉄道総研、川崎車両が新たに開発した振子制御装置を搭載し、乗り心地の向上を図っている。

8A系は近鉄の一般型車両としては24年ぶりになる新型電車で2024年10月にデビューした。この車両も川西氏がデザイン。ロングシートとクロスシートの両方に転換できるデュアルシート(L/Cシート)を採用し、中央ドア脇の2カ所には縦横両方向に座ることができる座席「やさしば」を設けているのが特徴だ。

ローレル賞を受賞した近鉄8A系。【画像:鉄道友の会】

鉄道友の会は「会員による投票において支持率が高く、また、同社の次世代を担う一般形車両として、極めて高い運用の汎用性、柔軟性と高レベルな客室サービスを実現しつつ、新たな標準化を目指した車両として高く評価し、ローレル賞に選定しました」としている。

4000系は福岡市営地下鉄空港線・箱崎線の新型電車。車内はガラスを多用することで明るく広がりのある空間になるよう演出。同期リラクタンスモータを採用するなどして省エネルギー化を推進した。

ローレル賞を受賞した福岡市営地下鉄4000系。【画像:鉄道友の会】

鉄道友の会は「シンプルな機能美の中に、新たなデザイン、技術をバランスよく搭載し、乗客の快適性に最大限配慮した次世代の地下鉄車両として高く評価し、ローレル賞に選定しました」としている。

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