国土交通省の九州運輸局長は9月17日、甘木鉄道(福岡県)が申請していた旅客運賃上限変更を認可した。これを受けて甘木鉄道は10月1日に運賃を改定する。改定率は16.3%。
普通旅客運賃は初乗り(1km未満)が現行120円のところ20円値上げして140円に。基山~甘木の全区間13.7kmでは60円値上げの430円になる。定期旅客運賃は基山~甘木で1カ月の場合、通勤が2120円値上げの1万4090円。通学は1300円値上げの9920円だ。
国土交通省によると、甘木鉄道の鉄道事業の収支は、前年度2023年度が2億3643万9000円の収入に対し費用は2億8056万9000円で4413万円の赤字。本年度2024年度も4183万7000円の赤字が見込まれている。2025~2027年度の3年間合計の推計では、現行運賃のままなら1億2705万円の赤字だが、運賃を改定した場合は赤字額を418万9000円に抑えられる見込みという。
甘木鉄道は人件費の高騰や老朽化した施設の維持費用の増大などを受け、8月に旅客運賃上限変更を申請していた。同社は運賃改定を機に施設の更新や新型車両の導入を進める方針だ。
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