東海道新幹線の保守用車「衝突」で一部運休 北陸新幹線など迂回ルートに



東海道新幹線で7月22日早朝、保守用車が衝突して脱線した。この影響で始発から一部区間で運転を見合わせている。

マルチプルタイタンパー(右)に衝突したモーターカー(中央)。【画像:JR東海】

事故は7月22日の3時37分ごろに発生した。豊橋~三河安城の上り線(愛知県蒲郡市神ノ郷町)で東京寄りの豊橋保守基地に向かう途中だった保守用車(砕石運搬散布車)が、合流するため待機していた別の保守用車(マルチプルタイタンパー)に衝突。砕石運搬散布車編成を牽引するモーターカーとマルチプルタイタンパーが脱線した。

衝突した車両のうちモーターカーは2016年9月に新製。直近では今年2024年6月に検査を受けている。JR東海は原因について「ブレーキ操作は行われたが何らかの原因により減速ができなかったと思われる」としつつ「詳細は調査中」としている。

衝突・脱線の状況。【画像:JR東海】

この影響で7月22日の東海道新幹線は始発の6時から浜松~名古屋で運転を見合わせ。復旧作業が長引いており、JR東海は18時07分までに同区間の終日運休を決めた。並行する在来線の東海道本線も混雑し、乗車が困難な状況に。豊橋駅や名古屋駅で入場制限が一時行われた。

東京~敦賀を結ぶ北陸新幹線「かがやき」「はくたか」と敦賀~大阪を結ぶ在来線特急「サンダーバード」は東海道新幹線の迂回ルートになり、JR東日本とJR西日本は「かがやき」「はくたか」「サンダーバード」を増発。日本航空と全日空も東京(羽田)~大阪(伊丹)を結ぶ臨時便を運航したほか、スカイマークは神戸→羽田の臨時便を設定した。

北陸新幹線も東海道新幹線の迂回ルートとして機能した。写真は敦賀駅の北陸新幹線ホーム。

7月23日の東海道新幹線は始発から全線で運行の見込み。ただし乗務員の運用などの都合で一部の列車で遅れや運休の可能性がある。

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