韓国高速鉄道「KTX」の車両が中央アジアのウズベキスタンに 初の海外輸出



韓国の現代ロテムが高速鉄道車両「UTY EMU-250」の供給・保守契約をウズベキスタン鉄道公社と締結した。契約額は約2700億ウォン(約308億円)。韓国国土交通部が6月14日、発表した。韓国の高速鉄道車両が海外に輸出されるのは、これが初めてになる。

「UTY EMU-250」のイメージ。【画像:韓国国土交通部】

「UTY EMU-250」は動力分散式の電車で営業最高速度は250km/h。韓国鉄道公社が韓国高速鉄道(KTX)で運用している現在ロテム製の150000系電車「KTX-イウム」をベースとし、1編成の車両数は「KTX-イウム」より1両多い7両になる。現代ロテムが42両(7両編成6本)を製造するとともにメンテナンスも行う。

韓国メディアの中央日報などによると、「UTY EMU-250」はウズベキスタンの首都タシケントからブハラまでの約590kmやブハラ~ヒヴァの430kmなどで運行される予定だ。

「KTX-イウム」は2019年から2021年にかけ114両が製造され、2021年にデビューした。従来のKTX車両は編成両端に連結した電気機関車が旅客車を牽引する動力集中式だったが、「KTX-イウム」は日本の新幹線車両などと同じ動力分散式を初めて採用。モーターを搭載した旅客車で編成を組んでいる。

KTXの車両で初めて動力分散式を採用した「KTX-イウム」。【画像:Rsa/wikimedia.org/CC BY-SA 3.0】

ウズベキスタンは中央アジアの国の一つ。旧ソ連時代の1930年代、ロシア極東の沿海州に住んでいた朝鮮人が中央アジアに強制移住させられ、現在のウズベキスタンでも朝鮮半島に起源を持つ人は多い。1991年の独立を機に韓国との関係を深めている。

※一部修正しました(2024年6月16日10時58分)

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